ダイエットした方がいいの?・・(2)
こんにちは、ブログをご覧いただきありがとうござます。
今回は女性に見ていただきたいダイエットのお話の第2弾です。
参考:
前回は、
シルエットの維持に過度に力を入れるのではなく
総合的・長期的に美しさを保っていくために
健康を損なわないように必要な栄養素を補給して
身体の本来持っている再生機能をサポートすべき
という主旨のお話をさせていただきました。
本日は恐らく世の女性の多くの方が悩まれているであろう
「なぜダイエットをしてもリバウンドをして体重が元に戻ってしまうのだろう?」
という疑問に関するお話です。
きっと皆さんも不思議ですよね?
この不思議な仕組みに対して解説してくれている講演があります。
アメリカの神経科学者サンドラ・アーモットという方のTEDでの講演です。
13分弱のそれほど長くないものですので、適齢期の女性には是非見ていただきたい内容です。
※ページの一番下にリンクをつけました。
このなかで彼女は、
脳は自分がどれだけの体重を必要としているかを理解しており
人は各々が約4キロから7キロの幅がある「セットポイント」という適正体重範囲を持っている。
そしてライフスタイルの変化によってその範囲内では意識的なコントロールすることはできるが
そこから出ようとしても脳の視床下部からの無意識の指令により体重を一定に保つ
あたかもサーモスタットのような働きによって制御されている
ということを語っています。
飢餓に備えて進化した人間の生体維持システムは、特にその下限を超えることに対して厳しいようです。
体重をダイエットで大きく減らした場合には脳からの指令によって
代謝が抑制されエネルギー消費量を減らして、体重の減少を食い止め、元に戻そうとします。
そして一方では空腹感を強めることによって食事を促します。
仮に強い意志によって一定期間の体重維持に成功したとしても
残念ながら「セットポイント」は下がらず、たとえ7年たっても脳は体重を元に戻そうとするそうです。
要するに適正範囲を超えて、いくら体重を減らそうと強い意志を持ってがんばろうとしても難しいということです。
脳が生体維持の為にそれを認めないのであれば何をしても多くは無駄な努力で終わるようです。
だからもしも今まであなたがダイエットをして体重が思うように減らなかったり、
せっかく減らしてもリバウンドしたりしていたとしても、
それはあなたの意志が弱かったからと自分を責めるべきではないこということですね。
表現を変えるなら、一人一人に対して
「あなたの適正体重を〇〇キロ~△△キロと定め、これより軽くなった場合は戻します。それがルールです。」
と言われているようなものかもしれませんね。
恐らく脳はそのルールを破ろうとするものを容赦なく攻め立てると思います。
まずは省エネモードになり代謝を抑え
できるだけ運動してもカロリーを消費しにくい身体に変えていきます。
それでも足りないので、
あなたにとにかくカロリー摂取を求めるよう指令を出すことでしょう。
せっかくバランスの良い栄養のある食事の量を減らして我慢したのに、
極度に高カロリーの甘いものを勧めたり、脂肪分の多い食事を勧めてきます。
あなたが欲求に勝てなくなるまでそれは延々と続くことでしょう。
そしてそれに素直に従わなければ、さらに強い強いストレスを与え続けることになります。
屈服するまで終わることのない拷問のようですね。
そしてそんな強いストレスの中で人は良い気分でいられるわけがありません。
不機嫌で、感情の起伏が激しく、攻撃的になったとしても不思議ではありません。
そんな状況がずっと続くなら一緒にいる周囲の方々もたいへんです。
パートナー関係に対しても影響は大きいことでしょう。
いくらスタイル抜群で魅力のある方だったとしても、
四六時中不機嫌な態度をとられるのだとしたら
それでも向き合い続けたいと思う男性は皆無ではないでしょうか?
けれども、それはその方が生来性格が悪いというわけではないと思うのです。
この仕組みの中で、無理のあるダイエットをしているがために強いストレスによって
他の方を気遣うまでいかなかったり、優しい気持ちになれないのではないかと思います。
知人の女性から、
「都心を歩いているとスレンダーでオシャレをしていて素敵なんだけれども
ずっと表情が険しかったり、年配の方に軽くぶつかっただけで不機嫌そうな態度をとったり、
とにかく余裕がない若い女性をよく見かけます。」
という話をされたことがあります。
その方がもしかすると本来は穏やかな方なのに無理なダイエットのせいでそうなっているのかもしれない、と思うととても残念な気持ちです。
できることなら女性には、穏やかな気持ちで他の方々を迎えてくれる優しい存在でいられるように
安心できる、あまりストレスが強すぎない環境に身を置いていて欲しいと願うのですが
それは古臭さ過ぎると笑われてしまうのでしょうか?
いずれにしても、背景を考えるとその方を責めるという気分にはなれないのですが、
それを変えない限りは残念ながら自然と周りから人が離れていくことになると思います。
それはとても残念なことです。
婚活と絡めて話すなら、「お付き合いしたいけど、結婚したくない女性」になってしまいかねないと思います。
これは、女性扱いが上手い男性に頻繁に声を掛けられたりして、
ルックスが良くてモテモテだけどなぜか結婚ができない方の
一つの説明になるのかもしれません。
誤解しないでいただきたいのは、ダイエットを全否定しているわけではないことです。
過度なダイエットが極めて困難かつ有害だと言っているのであって
不健康なまで肥満傾向の方が健康的になるために正しいセットポイントに向かってダイエットを行うのは本来あるべき姿だと思います。
ただしその適正な感覚がかなり本来のセットポイントとずれてしまっていることもまた問題だなと思います。
「健康的=美しい」 という、人が幸せになれる基準に、
ファッション業界、マスコミなどの影響力の大きな方々が世の中を誘導をしていってくださることを望んでやみません。
リンク:TED日本語 – サンドラ・アーモット: なぜダイエットは成功しないのか